知っているとオモシロイ!車の構造 ターボチャージャー

ターボチャージャー

ターボチャージャーの基本的な仕組み

ターボチャージャーは日本語で「排気駆動式過給器」「排気タービン式過給器」と言いますが、ほとんど使われないですね。と言うか、普通に「ターボ」で一般的に認知されています。
ターボの基本的構造は、1本の可転軸の両端に羽根車を備えたもの。一方の羽根車を排気で回転させ、その回転が伝えられたもう一方の羽根車が吸気を圧縮するようになっています。

排気で回される羽根車をタービンホイール、吸気を圧縮する羽根車をコンプレッサーホイールと言います。
ターボは、通常は捨ててしまう排気のエネルギーを動力源とするために効率が高い過給が行えるのですが、エンジンの回転数が低い場合は十分に過給を行うことができないという弱点があります。
ある程度は低同転域からも過給が行えるようにターボを設計すると、高回転域では過給圧が高まりすぎてノッキングなどの問題が起こります。
そのため、過給圧制御が必要になります。また、出力を高めようとした場合にエンジン回転数が高くなっても排気の量が増えないと過給の効果が現れません。この遅れをターボラグと言います。

ターボチャージャー

さらには、排気経路の途中にタービンホイールが存在することで、背圧の上昇や排気干渉という問題が発生することもあり、現在ではすっかり一般的になったターボですが、実は弱点も多いのです。

実用化されたばかりの次期のターボは、エンジン出力を増大させる目的のシステムでした。
ターボによる効果が得られたエンジンもありましたが、中にはレスポンスが悪く扱いにい物もありました。しかもターボ車は燃費が悪かったため、一時期はほとんど採用されなくなっていました。

現在のターボは、低回転域からのトルク増強を目的としたもので、さまざまな技術の導入によってそれまでのターボの弱点を克服しています。
主な技術にはツインスクロールターボチャージャー、可変容量ターボチャージャー、ツインターボチャージャー、シーケンシャルターボチャージャーなどがあります。
また、スーパーチャージャーと併用している車もあります。

タービンとコンプレッサー

タービン排気で回されるタービンホイールはタービンローターやタービンブレード、単にタービンと言われることが一般的です。
タービンは摂氏900度に達することもある排気に晒されるため、耐熱性、耐蝕性、耐酸化性が高いインコネルという合金で作られることが多くなっています。
タービンはタービンハウジングに収められていて、渦巻き状になったハウジングの外周側をスクロール部と言います。そのスクロール部は徐々に細くなっており、排気はここを通過する事で速度が高められてタービンを回転させ、回転軸方向に向きを変えて出ロに向かいます。

吸気を圧縮するコンプレッサーホイールはコンプレッサーローターやコンプレッサーブレードなどと呼ばれています。アルミニウム合金の鋳造または鍛造が一般的ですが、軽量化のためにチタンアルミニウムが採用されることもあります。
コンプッサーハウジングに収められたコンプレッサーホイールには、回転軸方向から吸気が送られます。
吸気は回転による遠心カで外周側のスクロール部に向かいながら圧カが高められて送り出されます。

双方の羽根車をつなぐ回転軸の部分は、センターコアやベアリングハウジング、センターハウジングと呼ばれています。
回転軸は2個のベアリングで支持されるのが一般的で、回転数の高いものでは 200,000rpmを超える事もあり、製造には高い精度が求められます
ベアリングには潤滑のためにエンジンオイルの油路が設けられています。オイルは冷却の作用も果たしますが、より一層冷却能力を高めるために冷却液の経路がセンターコアに設けられることもあります。
ターボチャージャー

過給圧制御

過給圧制御はウェストゲート/バルブによっ て行われます。排気経路の途中にはタービンホイールを迂回するバイパス経路が設けられており、その経路の途中にウェストゲートバルブが備えられています。
バルブを作動させるウェストゲートアクチュエーターは空気圧で動作し、コンプレッサーホイールを通過した後の吸気が導かれて来ます。通常はスプリングの力でバルブが閉じた状態になっていますが、過給圧が高まってスプリングの張力よりも大きくなるとバルブが開かれます。これにより排気の一部がバイパス経路を通るようになり、規定値以上は過給圧が高くなることはありません。吸気側からアクチュエーターに繋がる経路の途中に過給圧を逃がすソレノイドバルブを設けることもあります。
このソレノイドバルブによって、過給圧の電子制御も可能になります。
現在では電磁ソレノイドで作動する電動式ウェストゲートもあり、電子制御によって過給圧制御を行う事が出来るようになりました。
また、電動式に対して従来のものは空気圧式ウェストゲートと言います。

色々なターボチャージャーの型式

可変容量ターボチャージャー

ターボチャージャーは排気の流れを絞れば絞るほど低回転域から過給の効果を得られますが、絞りすぎるとエンジンが高回転になって排気の量が増えた場合に排気が流れにくくなってしまいます。そこで、状況に応じて排気の流れ具合を調整することで低回転域から高回転域まで高い過給効果を得られるようにした仕組みが可変容量ターボチャージャーです。
可変容量ターボチャージャーは、可変ジオメトリーターボチャージャー(VGターボチャージャー)や可変ノズルターポチャージャーとも言われています。
可変容量ターボでは、タービンホイールの一周に沿って多数の可動ベーンが設けられています。このベーンはノズルベーンともいい、個々を回転させてベーンの間隔を狭くすれば流路が絞られで流速が増すため、低回転域から過給効果が得られる仕組みです。高回転域ではベーンの間隔を広くして排気が流れやすくします。
ベーンの開き具合は電子制御されており、過給圧を可動ベーンで制御できるため、最高回転数でベーンが全開になるように設計すれば、ウェストゲートバルブをなくすことも可能です。(低回転域のレスポンスを高めたい場合はウェストゲートバルブが併用されます)非常に効率が高いターボですが、構造がとても複雑で、ベーンにも高価な耐熱素材を使う必要があるために高コストになるのがデメリットです。
可変容量ターボチャージャー

ツインスクロールターボチャージャー

ツインスクロールターボチャージャーはツインと命名されていますが、ターボチャージャーはあくまでも1基です。
タービンハウジングのスクロール部が2系統に分割されているためにツインスクロールと呼ばれています。
これは排気干渉を防ぐための構造で、たとえば4気筒エンジンなら、1番~4番シリンダーと2番~3番シリンダーの排気を独立させたままスクロール部まで排気を導きます。また、スクロール部は細く絞るほど流速が増して低回転域からターボ過給の効果を得られます。ツインスクロールターボは通常のターボよりスクロール部が絞られることになるために、低回転域から過給効果が得やすくなっています

ツインターボチャージャー

ツインターボチャージャーは2基のターボチャージャーをそれぞれ独立した排気系統で使用する方法です。排気干渉が起こりやすい6気筒以上のエンジンで採用されることが多くなっています。また、パラレルツインターボチャージャーとも呼ばれることがあります。
シングルターボに比べた場合、ツインターボでは個々のターボチャージャーを小型化できるため、低回転域から過給効果が得られやすくなっています。6気筒エンジンでよく見られるツインターボチャージャーは、直列6気筒を3気筒ずつに分割してターボを配置するパターンです。

シーケンシャルターボチャージャー

シーケンシャルターボチャージャーは2基以上のターボチャージャーを状況に応じて使いわけたり併用したりする方法です。
ターボが2基の場合は、シーケンシャルツインターボチャージャーや2ステージターボチャージャー、2ウェイターボチャージャーとも呼ばれます。現在ではターボを3基使用するシーケンシャルトリプルターボチャージャーも開発されていいます。

シーケンシャルツインターボでは、小容量と大容量のターボが組み合わされることが多いですが、同サイズが2基組み合わされることもあります。2基のターボチャージャーの使い方にもさまざまなものがあり、例えば並列に配置する場合、排気経路を切り替えたり双方を使用したりすることでターボ過給の能力を切り替えることができます。
一方のタービンを通過した排気がさらにもう一方のタービンを通過するように直列配置する場合、バイパス経路を変えてやる事でターボ過給能カを切り替えることが可能になります。

また、直列と並列の組み合わせもありますが、これらの組み合わせ方で低回転域から高回転域までターボ過給効果を得ることできます。しかし、このようなターボシステムは構造が複雑になり、経路を切り替えるためのバルブも必要になるため、コストが高くなります

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