知っているとオモシロイ!車の構造 カム

カム

カム

カムとは、回転運動を往復運動などの周期的な動きに変換する場合に使用される機械部品です。エンジンのバルブシステムで使われているものは、断面形状が卵型のカムです。
しかし、カムだけでは往復運動を作り出すことができません。カムとコイルスプリングであるバルのような部品を介してバルブを押すロッカーアーム式があります。
また、ロッカーアームとカムの間にプッシュロッドという棒を介する場合もあります。

バルブシステムでは複数のカムが1本の棒に取り付けられた部品「力ムシャフト」として動作します。カムシャフトへはクランクシャフトからベルトやチェーンで回転が伝わり、この仕組みによってピストンの位置とバルブの開閉タイミングが連動するように作られているため、ベルトやチェーンをタイミングベルトやタイミングチェーンと呼んでいます。

カムの断面の形状をカムプロフィールと言い、バルブを開く突出部を力ムノーズ、バルブリフトに影響しない円形の部分をベースサークルと言います。
カムノーズの頂点を含む直径を長径、ベースサークルの直径を短径といい、その差をカムリフトと言います。
バルブがもっとも大きく開いた時の移動距離をバルブリフトといい、直動式の場合はカムリフトとバルブリフトが等しくなりますが、ロッカーアーム式の場合はテコの比率でカムリフトとバルブリフトが変わってきます。カムリフトを大きくすればバルブリフトも大きくなりますが、バルブの移動距離が長くなるために高回転時にはバルブの開閉が追いつかなくな事があります。
また、カムリフトが同じでもカムノーズを大きくしてやると、バルブが早く開きゆっくり閉じていきますが、それだけカムを回すのに大きな力が必要になります。

直動式

直動式はその名の通り「カム直接が直接バルブを動かす」仕組みですが、細いバルブステムエンドを力ムで直接押すのは難しく、ステムエンドの摩耗も招いてしまいます。そのため、カムと接触する面を確保するためにステムエンドにバルブリフターという円筒形のパーツが取り付けられています。
カムに直接触れる部分を力ムフォロワーというが、バルブリフター全体をさレてカムフォロワーということもある。直動式は、ロッカーアーム式に比べると部品点数が少なく、慣性の影響を受けるパーツも少ない点が優れています。しかしカムシャフトの位置によって制限を受けるなど、燃焼室周辺の設計の自由度が低く、採用できる可変バルブシステムにも限りがあります。

ロッカーアーム式・スイングアーム式

ロッカーアーム式は、テコを介してバルブの開閉を行うため、設計の自由度が高い方式です。カムに触れる力点、アームの回転軸になる支点、バルブを押す作用点の順に並ぶ内支点タイプのほか、支点-力点-作用点の頁に並ぶ外支点タイプもあります。こえを区別する場合は内支点タイプをロッカーアームと言い、外支点タイプをスイングアームと言います。

ロッカーアームはバルブごとに備えられるのが基本ですが、カム側が1本、バルブ側が2本に分岐したY字ロッカーアームは1個で2本のバルブを開閉できるようになっています。部品点数は減りますが、アームの重量が大きくなるために慣性の影響を受けやすくなります。また、アームの力点である力ムフォロワーでは力ムとの間で摩擦が発生すします。この摩擦による損失を軽減するためにベアリングで支えられたローラー状のカムフォロワーを採用することもあります。これをローラーカムフォロワーと言い、採用するアームをローラーロッカーアームと言います。

カムの形式

バルブクリアランス、ラッシュアジャスター

バルブステムエンドと力ム(もしくはロッカーアーム)の間にはバルブクリアランスという隙間が設けられています。この隙間はバルブの熱膨張に対応したもので、バルブクリアランスが小さすぎると、温度が上昇した場合にバルブが開き気密性が保てなくなってしまいます。また、長く使用すると各部の摩耗によってバルブクリアランスが大きくなり、騒音が発生したり、バルブが正常に動作しなくなったりします。過去には、手動で手動で調整しなければなりませんでしたが、現在では自動的にクリアランスが調整されるラッシユアジャスターが採用されています。

ラッシュアジャスターには、エンジンオイルの油圧を利用した油圧式ラッシユアジャスター(ハイドロリックラッシュアジャスター、HLA)が一般的に使われています。
アジャスターの高さは油圧で保たれており、隙間が広がると内部に蓄えられるオイル量が多くなり、隙間が小さくなります。

力ムシャフト

力ムシャフトは、実際に力ムとして動作する部分を力ムロブ、軸受けに支えられる部分を力ムジャーナルと言います。特殊鋼の鍛造力ムシャフトと特殊鋳鉄の鋳造力ムシャフトがあり、カムロブの部分は耐摩耗性を高めるために焼き入れ加工などが行われます。
別々に製造されたシャフトとカムロブを合体する組立力ムシャフトもあり、軽量化のために内部を中空にした中空力ムシャフトも多く製造されています。

カムシャフト

力ムシャフトの駆動

力ムシャフトの駆動にはチェーン駆動とベルト駆動がああります。シャフトの一端には力ムシャフトタイミングスプロケット(または力ムシャフトタイミングプーリー)が備えられ、タイミングチェーン(またはタイミングベルト)によって、クランクシャフトタイミングスプロケツト(またはクランクシャフトタイミングプーリー)から回転が伝達されます。カムシャフトは4行程で1回転する必要があるため、クランクシャフトのスプロケツト(またはプーリー)とカムシャフトのスプロケット(またはプーリー)の直径の比は1:2になっています。
タイミングチェーンには、耐久性が高く騒音の発生が抑えられたサイレントチェーンが使用されるのが一般的です。
タイミングベルトには、回転軸と平行に歯を刻んだコグドベルトが使われます。ガラス繊維などの芯線をゴムで覆い包んだもので、このベルトに合わせて歯が刻まれた歯付プーリーが使用されます。
タイミングベルト

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