知っているとオモシロイ!車の構造 エキゾーストシステムとマフラー

知っているとオモシロイ!車の構造 エキゾーストシステムとマフラー

エキゾーストシステム

エキゾーストシステムは、エンジンから排出される不要になった燃焼ガスを排気ガスとして安全に効率よく外部に排出するための装置です。各気筒の排気を合流させる排気マニホールド、排気ガス中の大気汚染物質を取り除く排気ガス浄化襲置、排気騒音を低減させるマフラーなどで構成されており、状況に応じてエキゾーストパイプ(排気管)で接続されます。

排気の一部を吸気に混合するEGRを採用するエンジンでは、排気の取り入れ口が排気経路の途中に設けられています。
また、ターボチャージャーが取り付けられているエンジンでは、排気経路の途中にターボチャージャーのためのタービンハウジングが備えられています。

排気システムではシリンダー(気筒)ごとの排気の流れが相互に影響を及ぼしやすくなっています。ある気筒の排気が他の気筒の排気と排気経路の途中でぶつかるような排気干渉が起こってしまうと、排気経路内の圧力(背圧)が高まって排気の効率が悪くなってしまいます。そのため、各気筒の排気経路の長さを同じ長さに揃えたり、影響が出やすい気筒の排気は可能な限り下流で合流させています。
V型や水平対向型エンジンでは、エンジンシリンダー各列の排気を合流させないで独立した排気システムや排気経路にすることがありますが、こうしたものはデュアルエキゾーストシステムと呼ばれています。

エキゾーストマニホールド
12気筒分の等長を実現するために非常に複雑な形状を描くエキゾーストマニホールド(フェラーリV12エンジンの片バンク用)

エキゾーストマニホールド

エキゾーストマニホールド(排気マニホールド)は、各気筒の排気を集合させるもので、吸気マニホールドと同じような多くの管を持ち、その形状から「タコ足」とも呼ばれることがあります。
エキゾーストマニホールドは、気密性を高めるためのエキゾーストマニホールドガスケットを挟んでシリンダーヘツドに装着されます
高温高圧の排気を通すため、以前は鋳鉄製のもの多かったのですが、現在ではステンレス鋼管製が一般的になっています。なお、エキゾーストパイプにもステンレス鋼管が使われます。
排気干渉を防ぐ基本的な手段として、各ブランチの長さが等しい等長キゾーストマニホールドが採用されることがあります。この場合、等長を実現するためにブランチが非常に複雑な形状を描くことがあります。

4気筒エンジンでは一気に合流させず、まず隣り合う2本を合流させ、その後に1本にまとめる4-2-1タイプのマニホールドや、排気行程が逆になる1番と4番、2番と3番の気筒を先に合流させるマニホールドが使われることもあります。
また、ガソリンエンジンの排気ガス浄化装置である触媒コンバーターは、エンジンに近い位置に配置されるほうが好ましいため、触媒コンバーターを一体化したエキゾーストマニホールドもあります。
さらにエンジンに近づけるために、エキゾーストマニホールドを廃し、シリンダーヘッド内で排気の合流を行ってしまうエンジンもあります。
この他、システムをシンプルにするためにターボチャージャーのタービンハウジングが一体化されたエキゾーストマニホールドもあります。

ターボチャージャーが一体化された直列4気筒のエキゾーストマニホールド。
ターボチャージャーが一体化された直列4気筒のエキゾーストマニホールド。

マフラー

排気ガスは高温高圧なので、そのまま大気中に放出すると、一気に膨張して大きな音を発生します。また、9OO度に達することもある排気をそのまま放出するのは非常に危険です。
そのため、排気システムには騒音を低減したり排気の温度を下げるするマフラーが取り付けられています。また、マフラーはサイレンサーとも呼ばれています。
消音の方法には、膨張式吸音式共鳴式があり、マフラーの構造には、ストレート式マフラー多段式マフラーがあります。

マフラーで消音を行うには、ある程度の広さの空間が必要になります。また、消音効果を高めると背圧が高まりやすくなります。
通常、マフラーはエキゾーストシステムの最終段階に配置されますが、設置可能な空間の広さによっては十分な消音能力が得られないこともあります。このような場合には、エキゾーストシステムの途中にも別のマフラーが設置され、二段階で消音を行う場合がありますが、この途中に設置されれるマフラーをプリマフラーといいます。

エキゾーストノイズとは騒音を意味しますが、心地良いい排気音の場合にはエキゾーストノートということがあります。
スポーツタイプの自動車では、心地良い音を発するマフラーの設計が行われることもあります。また、背圧や排気音を調整する目的で、エンジンの回転数などに応じて消音能力などを変更する事ができる可変式マフラーもあります。

マフラーによる消音方法

膨張式消音

排気の膨張の度合いが大きいほど騒音が大きくなります。そのため部屋の大きさなどで膨張できる空間の広さを制限し、段階的に膨張させることで消音を行います。

共鳴式消音音

共鳴式消音音は圧力の強弱を繰り返す圧力波であるため、逆位相の音(強弱が真逆になる音)がぶつかると圧力が相殺されて音が小さくなります。
そのため、壁に反射した音が戻ってきた時に逆位相になっていれば消音が可能になります。これが共鳴式の消音であり、効果は高いのですが部屋の大きさ(壁までの距離)によって消音できる周波数(音の高さ)が決まってしまいます。

吸音式消音

騒音を吸音材に導くことで低減させるのが吸音式の消音です。音は圧力によるエネルギーなので、吸音材と摩擦を発生させると熱エネルギーに変換されて音が小さくなります。
マフラーではグラスウールといわれるガラス繊維が吸音材に使われます。グラスウールは繊維が細く、少量でも表面積が大きくなる事に加え、熱にも強い特徴があります。

マフラーの種類

ストレート式マフラー

ストレート式マフラーは、多数の小さな穴があいたパイプがマフラーのケースを貫通しており、ケース内は吸音材が詰め込まれた1つの空間になっています。
このマフラーは膨張式と吸音式の消音を行うものですが、消音能力を高めることが難しいため、自動車メーカーが採用することは少なくなっています。

多段式マフラー

多段式マフラーは多室式マフラーともいい、現在のマフラーの主流です
ケース内がいくつかの部屋に区切られていて、それぞれの部屋がパイプで繋がれています。パイプには多数の小さな穴が開いた物が部分的に使われ、部屋によっては吸音材が配置されています。排気が部屋から部屋に移動する際や、パイプの小さな穴から出る際に膨張式の消音が行われ、さらに吸音材のある部屋では吸音式の消音が行われるようになっています。吸音材のない部屋では共鳴式の消音が行われますが、さまざまな周波数の音が消音できるように部屋の大きさはそれぞれに異なったものになっています。
なお、最終的に排気を排出するパイプをマフラーカッターテールパイプなどと呼ばれています。
目に触れる部分なので素材やデザインが重視されるのですが、その形状は実はマフラーの性能にも影響を与えています
多段式マフラー

可変式マフラー

可変式マフラーは多段式マフラーがベースにされ、排気経路の途中にバルブが備えられています。このバルブを開閉することで経路の切り替えや増減を行い、背圧や排気音を変化させます。
電動可変式マフラー背圧可変式マフラーがあり、電動可変式の場合はECUの指示によってモーターなどを動作させてバルブの開閉を行います。
背圧可変式の場合はバルブがスプリングで支持されており、背圧が一定以上になるとスプリングの力に打ち勝ってバルブが開かれるようになっています。

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