知っているとオモシロイ!車の構造 シリンダー

シリンダー

シリンダーとは

自動車エンジンのシリンダーは、シリンダーブロックとシリンダーヘッドで構成されています。この上下にシリンダーヘッドカバーとオイルパンが加えられることで、エンジン本体の外形になります。
そしてシリンダーの配列には直列型やV型、水平対向型などがあります。

シリンダーブロックはピストンが入るために筒状になっており、同時にクランクシャフトなどの主運動系のパーツも収められています。シリンダーヘッドは、シリンダー最上部を構成する部品で、内部が燃焼室になっています。この燃焼室のあるシリンダーヘッドに向けて吸気と排気の通路である吸気ポートと排気ポートも繋がっています。
バルブシステムをやインジェクター、スパークプラグ、グロープラグなどはシリンダーヘッドに取り付けられています。

シリンダー(気筒)のレイアウト

多気筒エンジンのシリンダー配列は、直列型、V型、水平対向型が一般的ですが、海外メーカーの車には、狭角V型やW型といったシリンダー配列もあります。

それぞれの気筒を一列に並べたものを直列型といいます。英語のline(列という意味)からL型とも呼ばれています。シリンダー数を加えて直4(L4)や直6(L6)と表すことが多いです。
シリンダーの数が増えれば増えるほどエンジンが長くなり、その結果エンジンルームに収めにくくなってしまいますので、現在造られている車は2気筒~6気筒のレイアウトが一般的です。

シリンダーを、二列のV字に組み合わせたものをV型と言います。それぞれの列はバンクといい、バンクの角度であるV角は、60度~90度のものがポピュラーです。表記はシリンダー数を加えてV6やV8と表現することが多いです。V型は直列型に比べ、同じ気筒数でも全長を短くすることができるため、コンパクトなエンジンになり、重心も低くなります。しかし、バルブシステムなどを両方の列に備えなければならないのでコスト高になる傾向があります。一般的には6気筒以上で採用される事が多いレイアウトです。

水平対向型は、二列のシリンダーが向かい合うように配置されています。V型のV角を180度にすると水平対向型になりますね。
向かい合ったピストンがボクサーのパンチのように動くため、よく「ボクサーエンジン」と呼ばれています。
また、エンジンが平坦であることからフラットエンジンとも呼ばれることがあります。
直列型やV型より横幅が大きくなりますが、重心がさらに低くなり、高さが抑えられますので、エンジンルームの高さを低くすることができます。
シリンダーレイアウト
狭角V型とW型狭角V型は、直列エンジンの全長を抑える目的で開発されたもので、V角は15度以下となっており、バンクを構成するそれぞれのシリンダーが互い違いに並んでいます。
W型は、V型の各バンクを狭角V型にしたもので、シリンダーが4列に並んでいます。V型エンジンを二つ並べたような構造です。

シリンダーブロック

自動車のエンジンでは、シリンダーの筒部分があるシリンダーブロックと、クランクシャフトなどが収められているクランクケース部分を一体化して製造するのが一般的ですが、力が掛かるクランクシャフトを支える部分だけを別体にする事があり、その部分をラダーフレームやロアシリンダーブロック呼びます。

シリンダーブロック内部は高温高圧になるので、それに耐える必要があります。しかし、耐久性を増すためにシリンダーブロックを厚くすると、重量が増してしまいます。重量増は燃費の悪化を招くため、出来るだけ強度を保った状態でシリンダーの間隔を狭く設計します。
シリンダーブロックは鋳鉄製が一般的でしたが、最近では放熱性に優れ、軽量なアルミニウム合金のシリンダーブロックも増えています。

オープンデッキとクローズドデッキ

シリンダーブロック内部には、シリンダーの周囲を包み込むようにウォータージャケットという冷却液の通路や、エンジンオイルの通路であるオイルギャラリーが設けられています。
シリンダーヘッドとの接合面に、これらの通路の穴だけが空いた構造のものをクローズドデッキと言います。また、シリンダーブロックの外壁とシリンダーの筒との間が広く開いた造りのものをオープンデッキと言います。

近年、オープンデッキは機械加工精度の向上によって、ギリギリまで肉厚をそぎ落として製造することが可能になり、軽量で冷却性に優れているうえ製造も容易なので、主流になっています。しかし、強度はクローズドデッキの方が上。
昔の鋳鉄製エンジンは、ほとんどがオープンデッキで造られていました。肉厚もあり、頑丈なので、ボアアップやチューニングするのに最適でした。
最近のオープンデッキのエンジンはマージンがほとんど無いために、チューニングすると強度不足になる場合があります。

シリンダーライナー

シリンダーブロックの直接ピストンに触れる筒状の部分をシリンダーライナーシリンダースリーブと言います。シリンダーライナーには一体型と分離型があり、鋳鉄製のシリンダーブロックの場合は一体型が多いです。
鋳造の段階でライナーになる部分に耐摩耗性の高い合金成分を加えて製造されます。
アルミニウム合金製のシリンダーブロックの場合は分離型が多く、鋳鉄製や耐摩耗性の高い特殊鋳鉄で作られたシリンダーライナーがはめ込まれます。
シリンダーライナーの外側に冷却液が直接触れる湿式ライナー(ウェットライナー)と、冷却液が触れない乾式ライナー(ドライライナー)の2種類があります。

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドはシリンダーの燃焼室がる部分です。
燃焼室には吸気の経路である吸気ポートと、排気の経路である排気ポートの開口部が設けられ、シリンダーヘッド側面まで繋がっていて、ここに吸気バルブと排気バルブが取り付けられています。
燃焼室には、エンジンの形式に応じて、点火プラグ、グロープラグ、インジェクターを装着するための穴があり、ポート噴射式の場合はインジェクターの穴は吸気ボートにあります。シリンダーヘッドには、バルブシステムを支持する部分も設けられ、内部にはエンジンオイルや冷却液の循環経路が設けられています。

シリンダーヘッドは燃焼室が存在するため、その内部は高温高圧になります。以前は鋳鉄製で製造されていましたが、現在では放熱性が高く軽量なアルミニウム合金製が一般的になっています。上部にはオイルの飛散や異物の侵入を防ぐためにシリンダーヘッドカバーガスケットを介してシリンダーヘッドカバーが設けられており、このカバーは強度が求められる部分ではないので、樹脂素材のこともあります。また、最近ではエンジン全体を覆う樹脂製のエンジンカバーが装着されることも多くなっています。
シリンダーヘッド

シリンダーヘッドガスケット

シリンダーヘッドとシリンダーブロックの接合面は、ボルトで締め付けられていますが、その締め付けによりたわみや歪みが発生し、接合面の密着状況も均一では無くなります。その不均一な接合面を密着させる働きを持つのがシリンダーヘッドガスケットで、燃焼時の高圧に耐えて気密性を保持するために設けられています。
現在の主流はメタルガスケットで、ステンレス鋼板や軟鋼板で作られています。
3枚の板で構成されており、間に挟まれる板を微妙に折り曲げることでばねとしての効果を与えていて、これによりシリンダーヘッドとシリンダーブロックの不均一な接合面を密着させます。また、表面や開口部の周囲はフッ素ゴムやシリコンゴムなどで覆い、密着性を維持しています。
シリンダーヘッドガスケット

燃焼室

1つのシリンダーにに4個のバルブを備える4バルブ式では、ペンタルーフ型と呼ばれる燃焼室が一般的です。
屋根のような形をしていることから屋根型燃焼室とも呼ばれています。
2個づつ配された吸気バルブと排気バルブが、三角屋根の両側の辺を構成する形状で、球面の燃焼室に比べて表面積が大いので熱を逃がしやすいのですが、圧縮比を高ねる事が容易で渦流を起こしやすいため、主流の形になっています。

現在、最もポピュラーな4バルブ式では、各シリンダーの燃焼室に吸気、排気共に2個の開口部があります。このため、吸気ポート(インテークボート)と排気ボート(エキゾーストポート)はシリンダーごとにシリンダーヘッド側面に開口部があります。
吸気の分岐や排気の合流は、吸気マニホールドと排気マニホールドによって行われますが、可変吸気システムを持ったエンジンでは、各バルブのポートが独立したままシリンダーヘッドまで伸ばされています。また、シリンダーヘッド内で排気の合流を行うエンジンもありますが、この場合は開口部は1個しかありません。

スワール、タンブル

シリンダー内の吸気や排気の流れは、燃焼に大きな影響を及ぼします。特に吸気の際は、燃料と空気の混合を促進させる目的で、シリンダー内に渦流といわれる渦状の気流を発生させることがあります。
この渦流ですが、渦流の回転軸がピストンストローク方向のものをスワールといい、ピストンストロークに対して直角なものをタンブルと言います。
こうした渦流を吸気ポートの形状を利用して発生させることがあり、それぞれスワールポートやタンブルポートと言います。
また、可変バルブシステムや可変吸気システムを利用して渦流を発生させることもある。このほか、シリンダー内の気流にはスキッシュと言うものがあります。
ピストンが上死点にある時、燃焼室の上部にわずかな空間が残りますが、ピストンが上死点に到達するとこの空間から吸気が押し出されて強い気流が発生します。これをスキッシュと言います。
スワール、タンブル

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です