知っているとオモシロイ!車の構造 エンジン形式

エンジン形式

エンジンの形式

自動車のエンジンは、例えば使用する燃料によってガソリンエンジンとディーゼルエンジンに分類することができます。
また、メカニズム的には4サイクルエンジンや2サイクルエンジンとも分類できます。

そして、ピストンが上下するタイプのエンジンをレシプロエンジンと分類し、ピストンが回転運動をするロータリーエンジンがあります。
ガソリンエンジンであっても単気筒と多気筒エンジンでは設計に於けるコンセプトも違いますし、同一気筒数の多気筒エンジン、例えば6気筒エンジンだったとしても、直列6気筒とV型6気筒では全く違ったエンジンとなってきます。
気筒数が増えると回転がスムーズになり、直列に配置した場合比べ、V型に気筒を配置するほうが全長が短くなるためにエンジンはコンパクトになります。

気筒数やその気筒の配置を設計する事ををシリンダーレイアウトといいますが、各シリンダーレイアウトにおける特徴を調べてみました。
今回は自動車用エンジンとして最も一般的なガソリン4サイクルエンジンを元に記載してみました。
ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも、あるいは4サイクルエンジンでも2サイクルエンジンでも、シリンダーレイアウトに関しては同じ概念で設計されていると言ってもいいかと思います。

エンジンレイアウト

2気筒エンジン

シリンダーを2個並べたエンジンが2気筒エンジンです。
オートバイやFFの小型車、昔多く生産された、リアにエンジンを搭載して後輪を駆動する乗用車では、2つのシリンダーが進行方向に向かって横並びになっているために並列2気筒(パラレルツイン)と呼ばれることもあります。

2気筒エンジンはオートバイや小型乗用車、特に1970年代までの軽乗用車においてはとても一般的なレイアウトでした。
レシプロエンジンは排気ガス規制の強化を受けて2サイクルから4サイクルへと移行し、空冷式から、温度をより管理しやすい水冷式へと変わっていきました。
また、回転が正確に伝わるコグドベルトでカムシャフトを駆動するオーバーヘツド・カムシャフト(OHC)方式を採用するなど、現在の主流となるレイアウトのエンジンもあります。
しかし、その後は軽自動車においてもより回転がスムーズになる3気筒エンジンへと主流が移行してしまいました。
ですが最近になって、小型乗用車のエンジンとして採用されるケースが出てきました。
コンパクトな2気筒エンジンで様々なロスを低減し、燃費の優れたエンジンとして再度注目されたのです。

2010年にフィアット500に追加設定された875ccのツインエアーエンジンは、シングルカムながら1気筒あたり2本ずつの吸排気バルブを持ち、吸気系にはインタークーラー付きターボチャージャーを装着しています。最近では既に一般的になりつつあるダウンサイジングターボをですね。
4気筒や6気筒に比べると、振動や音に関してはキビシイですが、逆にそれが「味」として魅力になっているのですね。

3気筒エンジン

シリンダーを3個並べたエンジンが3気筒エンジンです。
2気筒と同じく、昔はオートバイや前輪を駆動する小型車、あるいはリアにエンジンを搭載した小型乗用車に多く見られたシリンダーレイアウトです。
以前は2気筒が主流だった国産の軽自動車でも、現在では直列3気筒が最もポピュラーなシリンダーレイアウトとなっています。
直列3気筒エンジンの大きな特長は振動が少ないことでしょう。

直列3気筒エンジンの場合は通常、120度クランクを使用しています。これはクランクシャフトが120度回転する度に、3つのシリンダーでは順番に、ピストンがシリンダー内の一番高い位置に動くように設計されたもので、クランクシャフトが2回転する度に1つのシリンダーで1回爆発が起こる4サイクルエンジンでは、クランクシャフトが240度回転する度に1回爆発が起きるので、シリンダー内では等間隔の爆発となってトルク変動が少なくなり、扱いやすいエンジンになります

この設計の3気筒エンジンを2サイクルエンジンにした場合、さらにクランクシャフトが120度回転するごとに1回爆発が起きるので、4サイクルエンジンの直列6気筒のような低振動なエンジンとなります。
過去にアウディの前身ともなるDKWでは1950年代半ばに2サイクルの3気筒エンジンを搭載したモデルに3=6という名前を付け、2サイクルの3気筒は4サイクルの6気筒に匹敵することをアピールしていました。

そんな3気筒エンジンですが、2気筒エンジンと同じく、現在のダウンサイジングの流れの中から新たなコンセプトのエンジンが登場しています。
フランスのルノーが2012年にリリースしたルーテシア用に新設計した897ccのエンジンで、ターボチャージャーと組み合わせて1.2リッターエンジン相当のパワーを発揮します。
フォードフィエスタ

4気筒エンジン

1000ccを超えた辺りから2500cc近くまで、多くの排気量で使用され、市販されている自動車用のエンジンとして最も一般的なシリンダーレイアウトが直列4気筒エンジンです。
一般的には両端の2気筒でピストンが最も上昇するタイミングで、中央寄りの2気筒はピストンが最も下降して、振動を打ち消すようにクランクシャフトがデザインされています。さらに、同じタイミングでピストンが上下するシリンダーも、片方が圧縮行程にあるときはもう片方が排気行程になるように吸排気バルブや点火系がデザインされていて、クランクシャフトが半回転するごとに、いずれかのシリンダーで爆発が起こるようになっています。このようにすることで振動やトルク変動を抑制し、スムーズな運転や操作ができるようになっています

現在は3気筒が主流の軽自動車ですが、かつては4気筒エンジンがラインナップされていました。
最初に4気筒エンジンを搭載した軽自動車は1961年のマツダキャロルで、軽自動車には2サイクルの2気筒エンジンが多かった時代に4サイクルのオーバーヘッドバルブと言った賛沢な設計で話題を集めました。
そしてその2年後には、軽トラックのホンダT360に、なんとツインカムの4気筒エンジンが搭載されて注目を集めました。
その後もスバルやダイハツでも軽乗用車に4気筒エンジンを搭載するケースがありましたが、現在ではすべての軽自動車のエンジンは3気筒以下となっています。
4気筒にするとコストもかかりますし、何よりもパーツが増えることで駆動損失(内部摩擦など機械的原因によって生じるエネルギーの損失)が大きくなってしまうことや、1気筒あたりの排気量が小さくなって燃焼効率が低下することが、燃費や環境性能が最優先される近年のトレンドにそぐわなくなってきたからだと思います。
4気筒エンジンのシリンダーブロック

5気筒エンジン

5気筒エンジンはそもそも、4気筒エンジンに1気筒を加えたり、あるいは6気筒エンジンから1気筒を省く格好で誕生した経緯がありました。
6気筒のスムースさと4気筒の軽量コンパクトのいいとこ取りを狙ったのです。ですが、6気筒ほどには滑らかでなく、また4気筒ほどコンパクトではない等、「いいとこ取り」ではなく「悪いとこ取り」になってしまうエンジンが少なからずあったようです。

その一方で、向い評価を受けた5気筒エンジン数多くあります。その良い例として、ボルボが開発した横置きの直列5気筒が挙げられます。

ボルボの直列5気筒エンジンは、当初は6気筒エンジンをベースに開発されたものでしたが、その後専用に開発した直列5気筒エンジンを造りました。でもボルボがすごかったのは、その5気筒エンジンをフロントに横置き搭載したことです。

自動車を設計する場合、エンジンの搭載位置やミッションとエンジンの組み合わせ方などの基本的な設計レイアウトのことを、パッケージングと呼びますが、ボルボは「横置きの直列5気筒」でこのパッケージングを革新したのです。
車の全幅に余裕がある海外では、日本国内のように「5ナンバーは全幅1.7m以内」という制限がない点では有利かもしれませんが、その当時に直列5気筒のエンジンを横置きで搭載するという設計は、スペース的に非常に難しいレイアウトでした。(なお、現在では6気筒エンジンの横置きマウントもあります)
5気筒エンジンのシリンダーブロック

6気筒エンジン

4気筒エンジンと並んで、乗用車用のエンジンとしてポピュラーな存在となっているのが6気筒エンジンです。
中でも直列6気筒エンジンは、低振動で、シルキーシックス=絹のように滑らかな6気筒)と評される傑作エンジンがいくつも登場してきました。
また、クランクが2回転する度に6回の爆発が等間隔で起こるために、トルク変動が少ないだけでなく、その排気音が素晴らしいと言うファンもいるようです。

およそ2000ccから3000ccのエンジンに多く採用されていますが、以前はフロントエンジン後輪駆動の車が多くエンジンが、縦置きでマウントされていたために長いボンネットが6気筒エンジン搭載車である証しとされていました。

1964年に登場した初代のスカイラインGTは、直列6気筒エンジンを搭載するために、本来直列4気筒エンジンを搭載するように設計されていたフロントノーズを伸ばして4気筒よりも全長が長い直列6気筒エンジンを搭載しました。

その後、1200cc前後のエンジンを搭載する小型乗用車においてFF(フロントエンジン前輪駆動)が主流になり、さらにより省スペースにするためにエンジンを横置きに搭載することが一般的になってからは、全長の長い直列6気筒エンジンはマイナーな存在となっていきました。

また、直列6気筒エンジンを縦置きにした場合、エンジンが長い分だけ衝突安全の基準をクリアするためのクラッシセフルストラクチャーを確保するためには更にフロント部分を長くしなければならず、同じ6気筒エンジンでも全長の短いV型6気筒が採用されることが多くなりました

V型6気筒エンジンは、簡単に言えば直列3気筒エンジンのシリンダーブロックを傾け、もうひと組加えるようなイメージです。
1本のクランクでそれぞれのシリンダーの3気筒分のコンロツドが、互い違いに取り付けられるため、直列4気筒エンジンよりもむしろ全長は短くなり、横置きにしても縦置きにしてもコンパクトなエンジンです。
2500CC以上のクラスでは後輪駆動車は縦置き、前輪駆動車は横置きのレイアウトで同じエンジンを使用しているケースが多いです。

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