水抜き剤入れないとガソリンタンクが錆びますよ!?

水抜き剤入れないとガソリンタンクが錆びますよ!?
最近はあまり耳にしませんが、先日嫁の田舎へ行ったときに嫁の実家近くのガソリンスタンドで、久々に聞かれました。

「ガソリンタンクに水抜き剤入れた方が良いですよ-、今だったらキャンペーン中で半額ですし、入ましょうか?」

いかにもバイトのお兄ちゃんって感じの20歳そこそこの男の子でした。

「え?水抜き剤入れないとマズイの?」

「ええ、ガソリンタンクの中で空気中の水分が溜まって水になるとタンクが錆びちゃうんですよね」

「えっ!そうなの!?」

「ハイ、それだけじゃなくて、その水がエンジン内部に入ると確実にエンジンが壊れますよ」

「で、その水抜き剤って、入れるだけで良いの?」

「そうです、ガソリンと一緒に入れるだけでタンク内部の水が抜けるんですよ」

「へぇー、すごいものがあるんですねー!」

「入れておきましょうか?キャンペーン中で半額です!!」

こんな会話を(わざと)したわけですが、このスタンドのお兄さんのハナシ、突っ込みどころのオンパレードです。

まず、「ガソリンタンクが錆びる」という件ですが、最近の車のガソリンタンクは樹脂製なんですね。
樹脂が錆びるわけありません

また、ガソリンタンクは密閉性が非常に高く、ガソリンタンクの内部には揮発したガソリンが充満しているので、水が溜まるほどの水分を持った空気が入ってくる事はありません。

金属製のガソリンタンクでも樹脂によるコーティングが施されていますので、内部が錆びるなんてことはありません。

例えば50年前のアメ車とか、ものすごいビンテージカーとかだったら金属製のタンクだったり、密閉性がイマイチかもしれませんが(定かではありません)、空気が持っている水分によって錆が出るほど長い期間動かしていないのであれば、その前にバッテリーが上がってしまったりタイヤなどのゴム類が劣化したり、車体の他の部分にも錆が出ますので、「タンクの中の錆がぁ~!」とか言っている場合じゃ無いです。

また、「タンクの中の水がエンジン内部に入ってエンジンを壊す」というハナシですが、もし、万が一、少量の水がタンクに入って、それがエンジンに入り込むとなると、ガソリンと一緒に霧状になって噴射されるはずです。
ペットボトル1本分の水とかならなだしも、タンク内部の空気中にある水分が水になったモノですから、その体積はおそらく数ccほどでしょう。それくらいの水がガソリンと混ざって霧状に噴射されても、エンジンが壊れる事はありません。

そして、「ガソリンと一緒にタンクに入れるだけで水抜きできる」という件。
水抜き剤の主成分はアルコールで、アルコールは水にも油にも混ざる性質を持っています。このアルコールの性質を利用し、本来は混ざり合わない水と油を混ぜ合わせて燃料と一緒にエンジン内部へ送り込み、燃焼させるという仕組みです。

この際にガソリンと水の量を正確に計らないと、アルコールを媒介して水とガソリンを混ぜ合わせる事はできないのです。しかし、なぜか今まで一度もガソリンスタンドのお兄さんからガソリンタンクの容量や溜まっているであろう、タンク内の「水」の体積(そんなモノ分かるはずありません)を聞かれた事がありません。

というか、本当にタンク内部の水抜きとやらをするのであれば、タンクのドレンボルトを抜いて中のガソリンと「水」とやらを完全に排出すればいいのです。

ですが、ガソリンスタンドでそのような事を勧められたというハナシは聞いた事がありません。

結局はどうなんだ!?


ガソリンタンクの水抜き剤なんて、まったく入れる必要はありません。

そもそも、そんなエンジンを壊してしまうほどの重大な事態に繋がるような問題であれば、メーカーから

「○ヶ月ごとに必ずガソリンタンクの水抜きを行ってください」

とアナウンスされているはずです。

ですが、そんなアナウンスどころか、車を買ったときに付いてくる取扱説明書にもそんな事は一言も書かれていませんし、車を買ったときにディーラーの営業マンから説明された覚えもありません。

実は、私がディーラーに勤めていた当時、この水抜き剤を入れてエンジンの調子が悪くなったというトラブルが多々ありました。
先ほど、水抜き剤の主成分はアルコールと言う事を書きましたが、アルコールは自動車のゴム系の部品に悪影響を及ぼすんです。

車のエンジンにはゴムで出来た部品が多く使われており、アルコールを含んだ水抜き剤のせいでフューエルポンプが不調になって燃料がうまくエンジンに供給されず、修理に入る車が後を絶ちませんでした。
ちなみに水抜き剤の使用はメーカーが認めているモノではありませんので、水抜き剤の使用による故障ですとメーカー保証を受ける事が出来ません。

水抜き剤は必要ありません。

というか、むうしろ

水抜き剤は入れてはいけません!

ちなみに、乗っている車が古い中古車だったとしても水抜き剤なんか入れなくても問題ありません。

「あー、この車、けっこう古い型ですねー、20年くらい経ってます?そうなるとかなりタンクに水が溜まってるはずですよー!」

こんな事を言われても無視してください。

エンジンが壊れるほどの水がタンク内部にあるなんて、わざと水を入れたりしない限りありえません。

水抜き剤、入れちゃダメ、絶対!!

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