三菱自動車燃費データ不正問題まとめ

三菱自動車燃費データ不正問題まとめ

燃費データ改ざんはなぜ起きたのか?

三菱自動車の燃費不正問題は、今年の4月20に発覚しました。
その不正問題は大きく分けて以下の2つ。

燃費データを改ざん

2013年6月に発売されたekワゴンとデイズのJC08モード燃費は当初29.2km/hと発表されていましたが、この数値は法規で定められたものとは違う方法で測定され、しかもデータを改ざんしたものでした。このデータに疑念を持った日産が同車種をテストしたところ、、三菱の出したデータと7%もの乖離が見られたそうです。
日産デイズルークス
その後に発表されたeKスペースやデイズルークスにおいても、すべてのモデルにて改ざんデータを使用し、実際にテストすること無く机上でデータを算出し、国土交通省に届け出ていた事が判明。
これまで販売された三菱eKシリーズは15万7千台、日産デイズシリーズは46万8千台、合計62万5千台にのぼります。

有利(と思われる)な測定方法を1991年から恒常的に使用

定められた試験方法ではなく、燃費に有利なデータを取得できる測定方法を、1991年から行っていたことも判明
1991年の道路運送車両法により走行抵抗の測定方法が「惰行法」に変更押されましたが、三菱自動車はアメリカなどで採用されている「高速惰行法」によってデータを計測し、今回の不正発覚まで使用してきたというものです。実際には「高速惰行法」の方が必ずしもよい燃費データになるということではなく、条件次第でどちらが良い燃費データを出せるかは変わってくるらしいのですが、なぜ三菱自動車が高速惰行法を継続して使用してきたのかかという点については現在調査中とのこと。

今回の燃費不正、果たしてどんな経緯があったのか?

eK及びデイズシリーズの開発は、三菱と日産の共同プロジェクトとして立ち上げられた「NMKV」という合弁会社が担ってきました。
企画・調達を日産、開発・生産を三菱が行うという役割分担で開発が行われていました。

開発スタートは2011年2月。その当時のJC08モード燃費の目標数値は26.4km/L、この当時、ライバルとされていたダイハツムーヴは24.8km/L、ワゴンR は22.8km/Lでした。
その後、2011年4月からJC08モード燃費の表示が義務づけられ、2011年11月、ムーヴはe:Sテクノロジーを搭載し27.0km/Lを達成。
これにより、三菱自動車の設計段階での燃費目標値は28.0km/Lに引き上げられました。
ミライース
この当時(2011年)三菱自動車が販売していたeKワゴンの最高燃費は19.6km/L。
目標燃費とは8.4km/Lもの差があります。
次期モデルにはMIVECやアイドリングストップが搭載されるとは言え、一気に8km以上の燃費アップは開発側にとっては相当なプレッシャーだったことは想像に難くありません。
そして2012年9月、追い打ちを掛けるようにライバルである新型ワゴンRが28.8km/L、12月にはムーヴが29.0km/Lと競争を激化させていきます。
この影響で三菱社内での燃費目標数値は29.2km/Lとなり、eK前モデルの燃費と比べると9.6km/Lの燃費向上が課せられました
この約10kmの燃費向上ってものすごい数値ですね。
マニュアル車で渋滞の道を走ったときと高速道路を走ったときの燃費の差くらいありますからね。
この時の三菱自動車にはダイハツのe:Sテクノロジーやエネチャージのような技術は無く大幅な車重削減なども出来なかったわけですから、開発陣にはものすごいプレッシャーが掛かっていたことでしょう。

今後の補償問題の行方

私の友人が不正対象車の日産デイズに乗っていますが、未だディーラーから補償に関する具体的なアナウンスは無いようです。

不正対象車のユーザーに対して、不正数値と実際の燃費の差によるガソリン代の支払いや、中古車価格の下落分の補填が検討されているようですが、使い方や走行距離もユーザーごとに千差万別ですから、すべてのユーザーが納得できるようなカタチでの補償はかなり難しいと言えるでしょう。

また、改めて試験をし直した結果、エコカー減税の区分が変わるような事になれば、地方自治体に区分違いによる減税分の差額を支払わなければならなくなります。

さらにデイズやデイズルークスを販売できなくなった日産自動車に対しても補償をすることになると思われますが、三菱自動車が日産自動車(ルノー)の傘下に入ったことにより、この賠償は帳消しとはならなくても、ある程度の容赦があるかもしれません。

しかし、これ以外にも下落した株価によって株主から集団訴訟を起こされる可能性もあります。不正発表前には800円強の株価が、不正発表後には400円近くにまで下落、その後日産の買収発表により株価が上がりましたが、5月17日現在では534円と、今年初めから比べると半分の株価になっています。

「日産の三菱」に

世間をアッと言わせた日産自動車の三菱自動車買収ですが、これを機に三菱自動車がどのように変わっていくのか、大いに世間の注目を浴びています。
以前、日産と三菱は「軽自動車以外にもルノーを含めた協力体制に拡大することを検討していきたい」と発表しています。
しかし、業界内では「日産は軽自動車を自主生産したがっている」「三菱は水島工場で、合弁による軽自動車生産を継続したがっている」という話が囁かれていました。
日産と三菱
そのために「日産と三菱がこれ以上手を組むことはないだろう」と思われていたのですが・・・
今回の買収により、日産自動車が欲しがっていた軽自動車の技術やリソースを、株価が下がったタイミングで手に入れたのは、ひょっとしたら不正問題が発覚した当初からのシナリオだったのかもしれません。
が、ユーザーにとってはそんなことはどうでもいいのです。

要は「良い車を造ってくれればそれでOK!」

経緯には問題がありましたが、日産傘下に入った三菱自動車が、今度こそ本当に生まれ変わることを期待しています。

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